●「ネットは携帯で十分」 パソコン見放す20代「下流」携帯族
衝撃だった。パソコン(PC)が使えない団塊世代以上の高年齢層の断層を「デジタル・デバイド」と呼ぶが、第二のデバイドが出現したのだ。
20代の若年層である。
まさか、と思うなかれ。高額のパソコンを持たない彼らは、インターネット利用を安価な携帯電話で済ませてしまう。PC族と携帯族の「デバイド」――それはネットにも「下流社会」が出現したことを意味する。
第二のデバイドが裏付けられたのは、ネット利用動向の調査サービス会社ネットレイティングスが昨年11月に公表した「データクロニクル2006・ファクトシート」。
2000年4月から06年3月までの6年間でのPCサイト利用者の年齢構成比のグラフがショッキングだった。
これまでネット利用を牽引してきた20代の比率が劇的に下降線をたどり、直近では全世代の11.9%に過ぎず、50代(11.8%)にほぼ並んでいる。
20代人口の減少も反映しているとはいえ、これまでの常識を覆すような数値が出たのだ。
(中略)
しかしこれを「さすがケータイ大国ニッポン」と無邪気に喜んでばかりもいられない。
誰でも簡単にネットが利用できる携帯は、ネット利用の底辺を拡大する役割は果たしたかもしれないが、同時に「コンピューターに対する知識の欠如」や「キーボードで字を打てない」という、まるで高齢世代かと見紛うような退化を若い世代にもたらしはじめている。
それを象徴するような笑えぬ事態が起きた。昨年11月19日夜、auでメールが送受信しにくくなる通信障害が発生。知らずにメールを送信すると、携帯電話に「送信できませんでした(110)」という画面が表示された。
この「110」をエラーコードでなく、問い合わせ電話番号と勘違いしたユーザーが、警察の 110番に電話をかけるという珍事が、全国で5700件も起きたのだ。
PCを使い慣れた人なら「110」が理解不能でも、ある程度は見慣れているから、まさか110番するような非常識な行動には出なかったのではないか。
携帯の普及による「PCイリテラシー(文盲)層」の増加は、こうした社会常識にも大きな断層を生じさせる可能性があるのだ。


